NAGAHAMA, SHIGA — KEISOKUJI TEMPLE
北びわこ見聞録 秋号
200本のもみじが境内を染め上げる鶏足寺と、優しい観音様が待つ石道寺。北国街道の宿場に佇む意冨布良神社、知将・石田三成の原点に触れる石田会館。長浜の秋を彩る旬のスポット三選と、あわせて立ち寄りたい周辺のおすすめ店を訪ねます。
秋の滋賀で見つけた、
美しすぎる世界
今年の紅葉は「鶏足寺」と「石道寺」がおすすめです。200本のもみじが境内を染め上げる「鶏足寺」。苔むした石垣とゆるやかな真っ赤に彩られた石段は、まるで別世界のような美しさ。
また、「石道寺」には、一見の価値がある国指定重要文化財「十一面観音像」が。しなやかなお姿と優しい表情が魅力的で、唇にひとすじ残った鮮やかな「紅(べに)」がとても印象的。井上靖の小説『星と祭』にも描かれた、子授けの観音様です。
幽玄な紅葉と、心癒やされる美しい観音様。次の休日は、カメラを片手に感動の秋散歩へ出かけてみませんか?




塩鯖と白米を用いて発酵させた「鯖のなれずし」。北陸圏の郷土料理として知られますが、北陸から京の都への物資の流通経路であった滋賀北部でも冬季に鯖のなれずしを仕込む食文化がありました。
小林商店は集落で生活雑貨や食品を扱う店で、3代目の小林丈弘さんの父、丈夫さんの頃から自家製鯖のなれずしを製造販売。国産塩鯖、地元産米を原料に丁寧に仕込み、発酵熟成させていきます。出来上がったなれずしは、鯖とは思えない、とろけるような歯応えで、塩分控えめの味わい。漬け込む際にふんだんにまぶした山椒がアクセントになってまさに「ここにしかない味」。知る人ぞ知る名店として全国にお客さんがいるほどです。
通年製造し、気温が高い時期は専用冷蔵庫で発酵を調整。ただ、丈弘さん一人での手仕込みで製造数が限られています。来店前に必ず問い合わせを!





歴史の面影と鮮やかな紅葉が
織りなす、北国街道に佇む
「意冨布良(おほふら)神社」
木之本の古い町並みが残る「北国街道 木之本宿」。老舗の酒蔵から少し坂を上ると、厳かなたたずまいで迎えてくれるのが「意冨布良(おほふら)神社」です。普段は静寂に包まれる境内ですが、秋を迎えると表情が一変。鮮やかなもみじの赤と、大イチョウの黄金色が歴史ある社殿に美しい華を添えます。木之本地蔵院からも歩いてすぐです。
また、意冨布良神社から徒歩30分ほどの場所にある田上山砦跡(たがみやまとりであと)は、賤ヶ岳の合戦の際、羽柴秀長が陣を置いたと伝わる場所です。山上からは、合戦の舞台となった余呉湖・賤ヶ岳方面や、北国街道の宿場町として栄えた木之本の町並みを望むことができ、ぜひ、意冨布良神社と共に訪れてほしいスポットです。
どこか懐かしい門前町の空気を感じながら、歴史の面影を辿る静かな参拝へ出かけてみませんか。

木之本に移住した前川晋也さん千尋さん夫妻が営む「ランチもカフェもできる飲み屋」。ランチは、メインと副菜数品と汁物・ご飯の定食スタイルで、多品種を堪能できることが特徴。お酒を飲む人にはおかずがつまみになり、飲まない人にも大満足のボリューム。
一品メニューも常時注文可能。琵琶湖の魚介や発酵食品、新鮮な野菜など地元食材を多用した品がラインナップ。お酒は品揃えが50種以上はあるという日本酒のほか焼酎なども充実。お酒と食べることが大好きな夫妻が厳選した銘柄が揃い、食事に合うものを提案してくれます。
北国街道沿いの江戸後期築の建物をリノベーション。もとの建物の造りや古材を活かした店内は一枚板の重厚なテーブルが存在感を放っています。飲食スペースの奥と2階は「中屋」(なかや)というゲストハウスとして営んでいるので宿泊使いもどうぞ。





忠義に生きた知将の原点に
触れる聖地、「石田会館」
のどかな田園地帯に、戦国ファンが「聖地」と呼び熱く支持する場所があります。それが、名将・石田三成の生誕地とされる屋敷跡に建つ「石田会館」です。館内の資料室には、三成の生涯を描いた絵巻パネルやゆかりの古文書、精巧な屋敷の復元ジオラマなどが並び、彼の激動の生き様をじっくりと辿ることができます。さらに敷地内には、かつての栄華を物語るお堀の跡(堀端池)や、凛々しい三成公の銅像、一族の供養塔が静かに佇んでいます。
すぐ近くには、秀吉との運命の出会いである「三献茶」のエピソードにちなんだモチーフも見られます。義を貫いた智将の息吹が今なお色濃く残る歴史の里で、その生涯に想いを馳せる旅へ出かけてみませんか。


戦国武将石田三成の出生地で、三成を顕彰する資料館のそばにあるベーカリー&カフェ。「せっかく三成ゆかりの地を訪れてくれた方にゆっくり休憩していただける場」をとの思いで木下滋子さんがオープン。北海道産小麦の原料にこだわり焼くパンは約20種で、甘い系、お惣菜系とまんべんなく揃い世代を問わず愛される味。なかには三成の旗印「大一大万大吉」の焼印が入った「三成あんぱん」も。
落ち着いたカフェ空間では、肉厚パティとバンズのバランスが絶妙なハンバーガーやふわふわな食パンを使ったサンドイッチなどのメニューを提供。ドリンク類も充実し、息子の栄一さんが丁寧に淹れてくれます。購入したパンのイートインももちろん可能。
周辺には史跡が点在し歴史探訪にも魅力的な地。腹ごなしの拠点として抜群の立地です。




